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それは、泡沫の恋。 儚く、消えてしまったひとつの恋。
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時間がないのも分かってる。
うまくならなきゃって、絶対口だけなんかじゃない。

でもね、追いつかないんだよ。
技術も、精神力も、全部全部…。

こんなの甘えだってのも分かってる。
追いつけない自分が悪いのも分かってる。

昨日、今日の合奏だって、私のせいだよ。
ちゃんと後輩見れてなかった私のせいだよ。

迷惑なんてかけたくないけど、分かんないんだよ。
何が正しくて、何が間違ってるのかさえ。

分かっててできなかった部分もあったかもしれない。
それでも、分からないことだらけなんだよ。

技術が追いつかないのも自分のせい。
みんなと同じだけがんばれてない自分のせい。

もっとがんばらなきゃってみんなは口をそろえるけど、がんばってるんだよ。
そんなの、「つもり」になってるだけって言われればそれまでだけど。

正直ね、みんなの「どうしよう」「もっと、もっと」が、今日の私には重かった。
みんなは自分たちのこと、全体のことを言ってたかもしれないけど、全部私に言われてるみたいに感じた。

私は、客観的に物事を見るようにしてきた。
自分のことしか見えないときもあったけど。

だからこそ、私なんかが言えることじゃないけど、焦りすぎだよ。

「焦っちゃダメ。でもこのままじゃダメ。どうしよう、もっとがんばらなくちゃ…」

ずっとこの繰り返しじゃん。
私は押しつぶされそうだよ。

こんなこと書いたら、「のんびりしすぎ」とか「やる気あんの?」「時間無いんだよ!」って思う人もいるかもしれない。

だけどさ、周り見えてる?

先生の期待に応えなきゃいけない。
東関東に行きたい。
もっと、もっと上へ―…。

高すぎる目標は、いつか自分たちを締め付けるんだよ?

3年生のだけの話し合いでもいってたじゃん。
なんで忘れちゃうの?

忘れてるわけじゃないかもしれない。
でも、私にはそうにしか見えない。

でもきっと、みんなは認めないんだろうね。
口では「焦っちゃダメだよね」っていってたけど、話し合いが終わった後も引きずったままな人が、本当の意味で分かってるとは思えない。




今日ね、横断歩道を渡るとき、思ったんだ。

このまま交通事故にあったらどうなるかな…ってか、いっそのこと死んじゃったら?どうなるんだろうね。

あー自分危ない人だなーって思った。
そんな勇気があるわけでもないのに。

コンクールも、マーチングも、迷惑かけることになるんだろうなって。
でも、なんだかんだで私がいなくても、進むしかないんだよなって。

居なくても、どうにかなっちゃう現実に怖くなった。

別に死にたいわけじゃない。
去年に比べれば、こんなことって思えるはず。

だけど、どんどん弱くなる自分が嫌いで、怖くて、なにより憎くなった。

茶月が言った意味とは少し違うかも知れないけど、すごくもやもやしてるのが、自分でもよく分かる。
このもやもやをどうしたらいい?
もう何も分からない。

冷静にならなきゃって言い聞かせてる。
でも、やっぱり私も焦ってる。

目の前の、何を超えなきゃいけないのか。
何を見なきゃいけないのか。



もう、なにをどうしたらいいのか分からないとき。
これは言わなきゃいけないって思ったとき。

心が押しつぶされそうなとき、

なんてこと無い言葉を口にするだけで、泣きそうになる。

「なにこんなことで泣いてんの?」

心の中の自分の言葉に、また押しつぶされて。

「本当は、周りのみんなだって思ってる。馬鹿じゃないの?って」

疑心暗鬼になって、いいたい言葉を見失う。



あっちこっちで悩みの種を拾って、もぅ、芽が出てきてしまったのかもしれない。
部活も、勉強も、もうひとつは言えないけど、増えていくばかり。

本当は今週、生徒会の集まりで、楠球作らなきゃいけなかったけど、一回しか出れなかった。
勉強も、思うようにすすまないし、親は言い過ぎない程度に言ってくる。
その親切が圧し掛かってくることにも気づかないで。
言われすぎるよりはいいのかもしれないけど。

いろんなことが、もやもやを作っていく。

こんなの、私だけが大変なんじゃないこともわかってるけど、吐き出してしまわないと、おかしくなりそうだった。

今度は本当に飛び出してしまうかもしれなかった。


「がんばる」なんて単語、どうしてあるのだろう。
こんなに人を締め付ける言葉が、どうして「励ましの言葉」なのだろう。

もう、自分でなにを言いたいのかも分からなくなってきてるから、もうそろそろ終わりにする。


稔がいて、本当によかった。
○○○のままだったら、つぶれてたかもしれないし。


こんなことで潰れたくない。
だって、もう少しがんばれるはず。


もう少し、冷静になろうか。
もう少し、周りを見てみようか。
もう少し、ぶつかったっていいんじゃない?


あの事件から、少し距離を置いた関係のような気がするのは、気のせいだよね?
本当のことが、いえないわけじゃないよね?

うん。きっと大丈夫だよね?

自分のこと励ますなんておかしな話だけど…。うん。大丈夫だよ、きっと。

みんなで解決していけばいいんだ。
なにも、いきなり大きなことをしなくたっていい。
小さいことから、時間が無くても、できることをすればいい。
小さいことだって、先生はきっと認めてくれるはず。

大丈夫。大丈夫。大丈夫。

うん。大丈夫。

奥の奥にある私は、辛くて、ほんとうは泣いてるんだよ。
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